いろいろ勉強したいと思い、参加しています。いつも通り、全講演の内容を紹介します。
なお、今回は少し立て込んでいたのでclusterでの当日参加ができず、後日YouTube配信を見ながらまとめました。
1. WebXR Tech Tokyoとは?
これまでこのブログでも何度か紹介したxRTechTokyoと同じく、@ikkou さんが主催されています。以下、公式HPの説明を引用します。
xR Tech Tokyo は「発表」だけでなく個々の開発者/クリエイターによる「展示」にも重きを置いています。
この「展示」に関しては xR と言えど物理会場なし有意な体験を得ることが難しいのが実情です。そのため、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行を鑑み、当面の間は xR Tech Tokyo の開催を見合わせています!
そこで当面の間はブラウザさえあれば体験可能な WebXR ( WebVR, WebAR ) に特化した WebXR Tech Tokyo を、バーチャル空間のイベントスペースである cluster を会場として開催します!
引用:https://vrtokyo.connpass.com/event/198899/
XRに関する勉強会は多数ありますが、私の知る限りこのイベントでは毎回100人近くの参加者がいる規模の大きなものです。
2019/2/17 (14回目) :2042人
2019/4/20 (15回目):2173人
2019/6/23 (16回目):2324人
2019/8/18 (17回目):2493人
2020/4/27 (0回目 @ cluster) :2794人
2020/6/29 (1回目 @ cluster) :2948人
2020/8/24 (2回目 @ cluster) :3193人
2020/10/28 (3回目 @ cluster) :3333人
2021/1/28 (4回目 @ cluster) :3350人
過去のイベント内容はこちらを参照ください。
【2019/3/16講演スライドリンク追記】xR Tech Tokyo #14 で聴いた講演内容をまとめてみました - CrossRoad
【2019/8/18更新】平成最後のxR Tech Tokyo #15 の全講演をまとめてみました - CrossRoad
A meetup report : highlight of xR Tech Tokyo #15 in Japan - CrossRoad
【2018/6/26更新】令和最初のxR Tech Tokyo #16 の全講演をまとめてみました - CrossRoad
【2019/8/28追記】xR Tech Tokyo #17 の全講演をまとめてみました - CrossRoad
【2020/5/5追記】WebXR Tech Tokyo #0 の全講演をまとめてみました - CrossRoad
WebXR Tech Tokyo #1 の全講演をまとめてみました - CrossRoad
WebXR Tech Tokyo #2 の全講演をまとめてみました - CrossRoad
WebXR Tech Tokyo #3 の全講演をまとめてみました - CrossRoad
ご参考:clusterやHubsで発表することがある場合、以下をご参照ください。
2. 講演
2.1 Project VRack Jack
発表者:やのせん@VR教育 (@yanosen_jp) | Twitter
Project VRack Jack:VRを使って漫画体験を高める実験的な試み
こちらのページに詳細が書かれています。このページからは、他のVRマンガの例も確認できます。
#ProjectVRackJack | Project VRack Jack
VRコミックリスト | Project VRack Jack
・VRで映像作品。これまでとは異なるインタラクションもあるが、それがあれば広まるか?
・スクエアエニックス社による結婚指輪物語のVR化コンテンツ。30分のコンテンツが公開されている。CGも活用しており、没入感などがすごい。
・映像作品と舞台作品の違い。VRは舞台作品に近い
・コマ表示の工夫で可能性があるかも。小説のような描写文を入れるなど、いろいろと試行中
2.2 A-Frame v1.1.0 でWebXRがいい感じだった話
・スターティアラボ株式会社所属の方。
・同社ではノーコードでARコンテンツが作成できる「CocoAR(ココアル)」、「LESSAR (レッサー)」を展開中
・「CocoAR」を使ったコンテスト「AR Ads Contest(AR広告コンテスト)」が開始。3/29までに応募。最優秀賞は賞金30万円
・この発表では、A-Frame v1.1.0で追加された機能のうち、hittest、dom overlayの紹介と、A-Frameで作ったペインターアプリ、ボクセルエディタアプリの紹介
・hit test:実世界の物理オブジェクトの位置を把握するための仕組み
・dom overlay:ar-modeにしたとき、これまでは従来WebのDOMで管理されているボタンやイベントなどが取得できなかった。これらをar-modeでも取得できるようにした仕組み
・hit testとdom overlayを使った例の書き方は、スライドのP.17〜26に記載あり
2.3 OculusQuest対応ブラウザで動くA-Frameエディタ
発表者:wakufactory (@wakufactory) | Twitter
発表スライド
https://wakufactory.jp/wxr/ev/xRTech4/#0
@wakufactoryさんは、WebXR Tech Tokyoの初回でも「HMDをかぶったままでのWebVR開発」というタイトルで発表されています。
今回は、Oculus Questを被った状態でa-frameコンテンツを開発できるエディタの紹介です。Questのコントローラだけでコーディングはまだ難しいという問題はありますが、タイピングを減らすためのスニペットを入れるなど工夫されているとのことです。
動画デモはスライドのP.8で確認することができます。
2.4 p5.xrを使ってOculus Quest2で再生できるVRを作る方法
発表者:moistpeace (@moistpeace) | Twitter
こちらに、今回の発表に関する情報を一通り掲載してくださっています。
本日発表した「p5.xrを使ってOculus Quest2で再生できるVRを作る方法。」の関連のリンクを紹介します。
— moistpeace (@moistpeace) January 28, 2021
p5.xrのサイトhttps://t.co/11mPfaGdu7
やり方の記事https://t.co/x0rlhKSkfd
参考作品も掲載しました。#p5js #WebXRTech #OculusQuest
登壇したイベントhttps://t.co/8seAQvUssV https://t.co/XfkR78ekfV pic.twitter.com/FbPTKvCLq0
p5.jsは知らなかったので少し調べました。以下は私の理解です。
・p5.xrとは、p5.jsのアドオン。WebXR対応でp5.jsの表現をAR/VRのコンテンツにできる
・p5.jsとは、Processingというアーティスティックな表現ができる仕組みをJavascript対応したもの
参考情報:
2.5 ウェブブラウザ上の3DプレゼンツールUnsceneの紹介
発表者:Vijay | Unscene (@vijay_sw) | Twitter
・Unscene (アンシーン) は、Webブラウザでコンテンツを誰でも簡単に作れるツール
・ミッション:3D Contents for everyone
・製造業では、2Dの図面やPowerPointなどで3次元的な製品情報の共有をしている。これがミスコミニケーションや誤発注やミスコミュニケーションの原因になる
・CADを使えばよいが、CADは営業担当などの非技術者にとって敷居が高く、ライセンス料も課題
・それらの問題を解決するために開発している仕組みが「Unscene」
YouTubeにUnsceneの紹介動画があったので、リンクを貼りました。
・Unsceneは、Babylon.jsで開発されている
・CADモデルをそのまま読むことはできないので、CAD Exchangerという仕組みを使っている
・ロードマップでは、2021年6月にリリース予定
2.6 Hubsを何度も破壊して得た知見、話します
発表者:Hironori (@hironori_yan) | Twitter
システムトラブルで当日発表ができなかったため、別途解説動画をアップされています。
以下のメモは、解説動画を元にしています。
・Hubsは、Mozillaが開発・公開している仕組み。ブラウザだけでVR空間の共有ができる。
・1/26にアップデートあり。デザインが今っぽく。テキストチャット機能の新規追加 (今まではテキストメッセージは表示したら消えていた)
・他にも、GitHubのプルリクエストには、OpenID connectionという記述あり。プルリクを反映させるとuse OpenID connect for Loginという設定項目は表示されたが、OpenIDプロバイダーとの連携方法などは不明なので、今後のドキュメント公開を待つ必要がある
補足:OpenIDについては、こちらの記事が図解付きでわかりやすかったので掲載します。
・動画後半では、Hubsを構成する技術について紹介。elixir(エリクシール)は、Hubsのようにwebsocketの通信が多発する中で威力を発揮する
・Hubsの構成技術について、総じて普段使わない技術が多く、クローズドな前提が多い印象 (ここは私も同じ印象でした)
・Hubsの開発者仲間を作りたい
なお、Hironoriさんは、WebXR Tech Tokyo #3で「Hubsカスタマイズ 別WEBサイトとのログイン連携による入室制限」というタイトルでも、Hubsについて発表されています。
2.7 VR書き初め - WebXRでお手軽Oculusアプリのススメ
発表者:福野泰介 (@taisukef) | Twitter
タイトルは書き初めですが、発表ではWebXRを試した事例を多数紹介されています。以下が発表で紹介された内容の関連記事です。
また、発表者の福野泰介さんは、オープンデータ活用、教育向けプログラミング環境「Ichigojam」などでも精力的に活動されている方で、ブログをみると色々な活動をされていることがよくわかります。
3. おわりに
WebXR Tech Tokyoに参加するのはこれで5回目ですが、毎回新しい発見があってとても勉強になります。知らなかった技術がいくつかあったので、そのうち試してみたいと思います。