Cross Technology

Unity、VR、MR、ARを中心とした技術ブログ

【Meta2 SDK2.7】リフレッシュレート72Hz、SLAM精度が改善

Meta2のSDKが2.7になりました。変化をまとめておきます。以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows 10 (version 1709, OS build : 16299.371)
  • Unity2017.3.1p1

0. 準備と注意点

これまでと同様、古いSDKをインストール済みの場合、先にアンインストールする必要があります。対応する各種バージョンは、下記のとおりです。ver2.6から変化したものは、"->"をつけています。

Release version: Beta 2.6.0 -> 2.7.0.38
Environment: Windows 10 64-bit (Note: Fall Creators Update is supported)
Compatible Unity versions: 5.6.0f3 and 2017.3.0f3
Firmware version: 1.41 -> 1.61
Meta Workspace version: 1.7.0 -> 1.8.0

NVIDIA driver 390.77 -> 397.31

1. Meta2 SDKのRelease Note概要

下記の中から気になったものを解説します。

SDK 2.7.0 Release Notes |

1-1. Firmware Updateによる性能改善

これが一番大きな変化かもしれません。リリースノートには、リフレッシュレートが60から72Hzになり、SLAM関係のトラッキング精度、速度が上がったとありました。

下記のように、わざとかなり早く動いてみましたが、CGオブジェクトは安定していました。また、リフレッシュレートの増加により描画の遅延が少ないことが、体感的にも実感できました。

(動画でコマ落ちするところがありますが、これは1-10で書いた推奨スペック以下のPCで試したためと思われます)

Firmwareのアップデート手順を紹介します。SDKをインストール後にMeta2をPCへ接続すると、Firmware Updateの通知がでます。これをクリックするとアップデートが始まります。アップデートにはだいたい5分程度かかります。

Meta2 SDK 2.7.0のFirmware Update画面

アップデートが終了すると、Meta2の電源を切るように指示が出ます。

Meta2 SDK 2.7.0でFirmware Update後にMeta2の再接続を指示する画面

Meta2の電源ケーブルを抜いたら、HDMIケーブル、USBケーブルを外します。その後、電源、HDMI、USBの順番に接続してからContinueをクリックします。1分程度で完了します。

Meta2 SDK 2.7.0のFirmware Update完了画面

1-2. キャリブレーションのメニューが増えた

これまでもSDK更新時や、自分でキャリブレーションを実行するときにいくつかの設定項目がありました。今回は、ヘッドセットの装着位置や inter-pupillary distance(瞳孔間距離)を調整する画面が増えていました。

1-3. Environment Mappingの待ち時間短縮

これまで5-10秒ほどかかっていたEnvironment Mappingの時間が2秒程度に短縮されました。また、これまではアプリケーションを起動するたびにEnvironment Mappingを実行していましたが、 ver2.7からは、すぐにアプリケーションが起動する場合もありました。
(従来通り起動時にMappingが発生することもあるので、細かい条件は不明です)

1-4. Instructionなどに使えるウインドウが同時表示

これまでは、アプリケーション実行中、PC画面にはMeta2の視界相当のウインドウ(WebCam)が表示されるだけでした。

従来のMeta2実行時のWeb Cam window

ver2.7からは、これに加えて、Instructionなどに使えるウインドウが2つ同時に表示されるようになりました。

Meta2 SDK 2.7で搭載された2D window

Unity SDK側の説明によると、新しいこのウインドウは2D Windowと呼ぶようです。これにより、例えばMeta2を装着している人が操作方法を確認する、などで活用できそうです。

1-5. 拡張ディスプレイではなくなった

これまではMeta2は拡張ディスプレイとして扱われていたので、Windows10の設定画面では、「1」、「2」のような拡張ディスプレイとして認識されていました。

そのため、Windows10側でマウスカーソルがどこかに行ってしまうとか、アプリを起動しないときにMeta2にPCのデスクトップ壁紙が表示されたり、ということがあったのですが、それらがなくなりました。

1-6. Meta Cloudが開始された

はっきりした説明がないのですが、
・ログインしてもポータル画面などは出ない
・リリースノートには、This information will be used to improve support for Meta 2 users.というメッセージがある

ということから、動作情報などをMetaに提供する仕組みと思われます。Cloudサービスを使うには、Meta Home 起動時にログイン画面が出るので、ここでログインします。

Meta2 SDK2.7以降のMeta Cloudログイン画面

Skipというボタンを押すと、ログインをしないで従来通りMeta Homeの機能を使うことができます。ここでSkipを選択すると次回からMeta Homeを開いてもログインを聞かれなくなります。あとからログインしたくなった時は、タスクトレイのMetaアイコンからSign Inを選択します。

1-7. SDKダウンロード時にメールアドレスを聞かれなくなった

以前は、Download Installerのボタンをクリックすると、メールアドレスを入力する画面があり、そのあとダウンロードでした。

Meta2 SDKダウンロード画面

しかし、今回は、Download Installerをクリックするとすぐにダウンロードが始まりました。

1-8. インストーラのサイズが減った

ver2.5(1.2GB)、ver2.6(632MB)、ver2.7(556MB)と、だんだん減っています。

1-9. Meta Homeから体験できるアプリが、Sushi Catに変わった

ver2.5と2.6では炎や氷を飛ばすミニゲームアプリが入っていました。

Meta2 SDK 2.5で追加されたサンプルを試してみました - Cross Technology

ver2.7では、招き猫にSushiを食べさせるミニゲームに変わりました。

Meta Home(SDK ver2.7)の画面。SushiCatのアイコンあり

1-10. Minimum Requirementが上がった

Meta2 SDK2.7のPC minimum requirement

とくにグラフィックボードの要求スペックが上がりました。Minimum がGTX1050というのは高すぎる気がしますが、これまではMinimumがGTX970でしたので、かなり上がったことになります。

Meta2 SDK2.4のPC minimum requirement

ご参考:SDK 2.4時点でのMinimum Requirement

Release Noteを見ると、SLAMトラッキング精度をあげたことでPCの負荷も上がったことが原因のようです。できるだけRequirementのPCを使ってください、とありました。

今回は推奨スペック以下で試しました。いちおう動きましたが、時々描画が遅くなるような気もしました。将来的に改善していくそうですが、今はできるだけGTX1050に合わせた方がよさそうです。

2. Meta2 Unity SDKのRelease Note概要

下記の中から気になったものを解説します。

Unity SDK 2.7.0 Release Notes |

2-1. Virtual WebCamが別ウインドウになった

Meta2の視界を表示するウインドウが別ウインドウとして表示されるようになりました。(これまではUnity Editorとして表示されていました) また、MetaLogoCanvasというPrefabが新規追加され、これを使うことで別ウインドウの中にuGUIの機能を入れることが可能です。(例えばInstructionなど)

Meta2 SDK 2.7のMetaLogoCanvasを使った例

ここでは、MetaLogoCanvas PrefabをHierarchy Viewにドラッグし、このCanvasの中にuGUIのTextをいれました。このように、アプリ実行時にTextが表示されるようになります。

2-2. Unity Packageをインポートすると、Project Settingsの推奨設定画面が出るようになった

Meta2 Unity SDK 2.7で追加されたProject Settingsの自動設定画面

全てapplyを選択するとよさそうです。

2-3. Unity Sample SceneのSwipe Gestureのお試しが増えた

Swipe Gestureを試せるシーンが増えました。

Meta2 Unity SDK 2.7のSwipe Gesture sceneの例

Metaとしてはこのような操作や表示体系をAR UIの形の一つと位置付けているようです。

2-4. Reconstruction Sceneが変わった

これまでは、環境マッピングのメッシュ生成をみるだけでしたが、今回のサンプルシーンでは、環境マッピングしたところにRigidBody付きのCubeを落下させるというものに変わっていました。

Meta2 Unity SDK 2.7のReconstruction Sceneの例

シーン起動後、alt+iをキー入力するとメッシュ生成を始めます。alt+sで終了したあとで、cubeを掴むと、机や床で落下が止まります。
(メッシュ生成してないと、無限落下するので見えなくなります)

2-5. TurnTableシーンが変わった

ターンテーブルをスワイプで操作するときに、慣性がつくシーンが増えました。従来通り、Swipeの検出につき90度回転、というのはTurnTableSwipeというシーン名になりました。

Meta2 SDK2.7のTurnTableSwipe sample sceneのgif動画

3. 終わりに

リフレッシュレートの向上、2Dウインドウの採用など、細かいところでも使いやすさを向上させようとしているように思いました。
Release Noteの記載を見ると、さらなるアップデートを予定しているようです。諸事情から中々アプリケーション開発の時間が取れていませんが、そろそろMeta2で本格的に何か作ってみたいところです。