CrossRoad

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Blender2.83αで使用可能になったVR表示機能の環境構築方法をまとめました

先日、以下のツイートを見かけました。

すでに試している方もいらっしゃるようですが、Blenderでの構築方法があまりわかってなかったので、少し詳しく書いてみました。

なお、現在は2.83はα版です。

動作確認環境
・Oculus Rift CV1
・Windows 10 Pro 1903
・Blender 2.83α (1a3928f)

1. 動作環境

まず、VRモードはMacOSでは動きません。Windows10かLinuxのみです。

Windows10の場合、Windows Mixed Reality ヘッドセットか、Oculus Rift CV1 /S のみです。(Oculus Linkにより、Oculus Questで動作させている方もいらっしゃるようです)

Supported platform of Blender 2.83 VR mode

引用元:Configuring Peripherals — Blender Manual

動作確認はしていませんが、MonadoというOpenXR向けランタイムが入ることでLinuxでも動きます。

Monadoについては、以前少し書いたことがあるのでご参照ください。

www.crossroad-tech.com

なお、SteamVRに対応していないためか、HTC VIVEは非対応です。

Currently Windows Mixed Reality and Oculus devices are usable. Valve/HTC headsets don't support the OpenXR standard yet and hence, do not work with this implementation.

引用元:https://developer.blender.org/rBdc2df8307f41888bab722f75fa9e73adecf86b72

2. 構築手順

主にこちらを参考にしました。

User:Severin/GSoC-2019/How to Test - Blender Developer Wiki

2.1 Blender2.83αをダウンロードする

2020/4/11時点、2.83はまだexperimentalという位置付けです。そのため通常のダウンロードページには2.82αまでしか掲載されていません。

www.blender.org

2.83αをダウンロードするには、上記のページを下にスクロールして、Download Blender Experimentalボタンを選択します。

Download Blender Experimental button on Blender HP

すると、このようにα版のダウンロードページが開きます。

2.83alpha Blender

あとはここからzipファイルをダウンロードして解凍します。

2.2 (Oculus Riftを使う場合) blender_oculus.cmdからBlenderを起動する

通常は、下記の画像にあるblender.exeからBlenderを起動しますが、Oculus Riftの場合は同じ階層にあるblender_oculus.cmd (画像の赤枠) をダブルクリックします。

Run Blender 2.83alpha from blender_oculus.cmd

すると、このようにコマンドプロンプトが立ち上がるので、任意のキーを押します。これでBlender2.83αが起動します。

Running Blender 2.83 from blender_oculus.cmd

Windows Mixed Realityの場合、この手順は不要でblender.exeから起動することで使用できます。

2.3 VR Scene InspectionのAdd-onを有効にする

以下の画像[1]~[4]のように進めます。

20200411151414

2.4 (サイドバーが表示されていない場合) サイドバーを表示してVRタブを選択できるようにする

以下の上側の画像のように、[1]のViewを選択して、[2]表示されたメニューのSide Barにチェックをつけます。すると、下側の画像[3]のようにタブが表示されます。タブには「VR」が出てきます。

Enable Sidebar and

2.5 Start VR Sessionを選択して、HMDでBlenderの3D Viewを確認する

VRヘッドセットが支える状態で、VRタブの「Start VR Session」というボタンを選択すると、BlenderのCameraの位置でVRヘッドセットが使用できるようになります。

VR Session on Blender 2.83 alpha

表示できたことを示すのが難しかったので、Oculus Mirrorを使いました。画像の左側です。画像右側のBlenderのCamera位置付近が表示されています。

この状態でBlenderのCameraをマウスでドラッグすると、VRヘッドセット側もリアルタイムで追随して動きました。

ここで表示しているモデルは、以下のbuildingというモデルを使用させていただきました。

poly.google.com

また、Oculus Riftの表示をPCにも表示できる「Oculus Mirror」の使い方は、こちらの記事を参考にさせていただきました。

www.omomono.net

3. その他

3.1 Mirror VR Sessionを使うと、Oculus Riftの動きが不安定になる?

先ほどは、Oculus Mirrorを使ってPCにOculus Riftの表示を映しながら使う方法を紹介しました。実はこれを使わなくても、Blender2.83αにはVRヘッドセットの動きを直接Blenderの3D Viewに反映させる仕組みがあります。

これを使うには、VR Session / Viewport Feedback にある「Mirror VR Session」というオプションにチェックを入れるだけです。

Enable Mirror VR Session on Blender2.83 alpha

このオプションにチェックを入れてから「Start VR Session」ボタンを選択すると、Blenderの3D ViewはOculus Riftの動きに追随します。しかし、Oculus Rift側に砂時計マークが頻発してVRとしては確認ができませんでした。

私の環境固有か、α版なので問題があるのかは不明です。

3.2VR Start Sessionを実行したとき、 Failed to get device information. Is a device plugged in? と表示される場合

VRヘッドセットが接続されていないか、Oculus Riftを使っているときにblender.exeから起動している場合にこのエラーが出ます。

Failed to get device information. Is a device plugged in?

Oculus Riftを使う場合は、blender_oculus.cmdからBlenderを起動する必要があります。

4. おわりに

思ったよりも簡単にできました。これまでだとBlenderからエクスポートする必要があったので、さっと確認したいときの手間が大きく省けると思います。

今回のBlenderのVR対応はOpenXRに関係するものです。OpenXRは以前に少し調べたことがあります。

OpenXR カテゴリーの記事一覧 - CrossRoad

最近になって、Oculus Mobile SDKでOpenXRの対応が見られるなど、動きが出てきているので、この辺も見ていきたいと思っています。