xR Tech Nagoyaが主催するオンラインイベント「Hubs Scrum」に参加、登壇してきましたので内容をまとめました。
1. Hubs Scrumとは?
xR Tech Nagoyaが主催するイベントです。Mozilla Hubsの動作確認、LTを目的としています。
以下、イベントページの説明を引用します。
ブラウザで動作するソーシャルVR『Mozilla Hubs』に用意するVR空間にてサービスの体験会、および負荷テストを実施致します。
VR環境の無い方であってもスマホやPCでの参加が可能です。日頃VRに触れない方もお気軽にお越しください。
引用:Hubs Scrum【ブラウザでVR】 - connpass
主催のxR Tech Nagoyaについてはこちらの通りです。
会場の様子です。
2. ライトニングトーク (LT)
2.1 Mozilla Hubsが拓く新世代WebVRのススメ
発表者:GREE VR Studio Laboratory Director 白井暁彦 Akihiko SHIRAI
www.slideshare.net
GREE VR Studio Laboratory所属の白井博士によるHubsの紹介です。すでにHubsを相当使われていらっしゃるようで、今回の発表会場の設営も担当されていました。また、動画を使った発表だけでなく、参加者全員を別の会場にテレポートさせる(通称「バシルーラ」と呼ばれているそうです)ことも実演いただきました。
テレポートの流れを動画にされた方がいらっしゃいましたので引用します。
シーンが切り替わる瞬間 #HubsScrum pic.twitter.com/ehYC8h7ppg
— xrdnk (@xrdnk) May 13, 2020
なお、「バシルーラ」は標準機能にはないそうです。
発表ではHubsの概要やtips、最近の大型採用実績 (IEEEVR2020:1500人近くが参加し盛況に終了)のお話がありました。
また、今後はオンラインハッカソンを実施されるとのことです。
#HubsScrum ご参加いただきありがとうございました!
— GREE VR Studio Lab (@VRStudioLab) 2020年5月13日
次回 #MozillaHubs イベントは勉強会→ハッカソン→発表会という流れで完全オンラインでの芸術・技術・事例共有イベントを想定しております。
まずは5月中に初心者向け勉強会を実施しますが軸になりたい人、いらっしゃいませんか?#VRSionUp pic.twitter.com/yz1UGxS9gm
2.2 AWSを使わずにVR空間共有ができるnetworked-aframeの使い方を調べてみた
発表者:Limes
私の発表です。スライドは以下の通りです。
www.slideshare.net
スライドはごく一部しか書いていないので、詳しい構築方法は別途書きました。
2.3 自作VRアプリを簡単にZoom/Teamsに対応させる「EasyVRStudio 」の紹介
発表者:littlewing
(申し訳ありません、自分の発表直後に子どもの対応で離席しがちとなり、詳細が聴けませんでした。YouTube配信もみたのですが、ちょうど音が途切れていてうまく聴けず、、)
紹介されていたEasyVRStudioはこちらで公開されています。Readmeに詳しく書かれているのご参考ください。
2.4 Hubsでアバターカスタマイズ
発表者:とーやくん
(こちらも同じ理由で詳細が聴けませんでした。ただ、YouTube配信でスライドだけ見えたので、事前のtwitter投稿の内容を元に少し解説します)
Hubsのアバターはシンプルなブロックのようなものが多いのですが、カスタマイズもできます。
発表では、アバターを変更するコツや、変更するツールの紹介されていました。
まず、アバターを変更する方法の概要は、下記の公式ドキュメントにあります。
Creating Custom Avatars · Hubs by Mozilla
また、「Quilt」というWebサービスを使うことで、ブラウザだけでテクスチャマッピングが可能となります。Quiltにアクセスするとこの様な画面がでます。テクスチャをドラッグするだけです。
アバターの仕様についても参考になりますね。
なお、白井さんの発表でも説明のあったIEEEVR2020ですが、参加者向けにカスタムアバターを簡単に作れるサイトを公開されていたようです。
冒頭にあるGithub Pages (https://rhiannanberry.github.io/Avatar-Customizer/) にアクセスすると、アバターの体型、服の色などを変更して.glb形式のモデルをダウンロードできます。
3. Hubsの安定性について
今回のイベントは主催者の方の説明通り、勉強会以外にHubs自体の負荷テストも兼ねていました。
白井さんの説明によると、Hubsで作ったroomに入れるのは最大25人だそうです。公式ドキュメントにも記載がありました。
Maximum Capacity
Hubs rooms have a maximum capacity of 25 people in-room to ensure performance across devices. However, many more can watch from the lobby even when the room is full.
Users in the lobby can hear what is going on inside the room, and can interact through chat with the people in the space. If a room is full, we recommend turning on "Camera Mode" to broadcast a moderator's view to the lobby.
引用元:Room Settings · Hubs by Mozilla
また、環境によって画面表示、音声の安定性が大きく変わるようです。当日のツイートをいくつか引用します。
こうなって落ちました😇CPU負荷がキツイっぽい? #HubsScrum pic.twitter.com/E1ur1g5CHG
— ながみね (@KzoNag) May 13, 2020
#HubsScrum#xrtechnagoya
— I am コイケヤ(スコーン) (@koike_ko_ke) May 13, 2020
スマホSafariでクラッシュしまくるのでMacで見てます。
何故かチャットが重複投稿されてしまうで不用意に発言できない…🤔
超安定してる。#HubsScrum https://t.co/vJ0l7lS42J pic.twitter.com/DR0Dvono2U
— キジカエル (@tori_kizi) May 13, 2020
私はほとんどの状態で安定していました。
#HubsScrum 音声はクリアですね。 pic.twitter.com/YdC8aetY7u
— Limes (@WheetTweet) May 13, 2020
ちなみに、公式ドキュメントを見直したところ以下の記載がありました。
Mobile devices (phones, standalone headsets) may have performance challenges when there are more than 10 people in an individual room.
引用元:Hosting Events in Hubs · Hubs by Mozilla
つまり10人以上のイベントではモバイル端末は使用難しいようです。そうなると、VRが可能なグラフィックボード付きPC+固定回線のネットワークがある方が安定しそうですね。
一方、今回は最大で60人近くが同時に参加されておりました。たまに音声が乱れたり、YouTube配信も一部表示がおかしいところがありましたが、推奨人数の2倍以上が参加しているので仕方ないかもしれないですね。
4. その他
Hubs開発者の方の考えを書かれた記事(medium)と、それを翻訳した記事があるとのことなので、引用いたします。
The Secret Mozilla Hubs Master Plan https://t.co/mT9AOjrI70 [翻訳] Mozilla Hubsのシークレットマスタープラン https://t.co/9OOLkVW5tL 重要エントリとのことで読もう #HubsScrum
— こりん@VR (@korinVR) May 13, 2020
5. おわりに
Hubsを使ったのはほとんど初めてでした。自由度が高く、開発でのカスタマイズもいろいろできそうです。(把握すべき技術はかなり多いですが)
IEEEVRなどの国際学会での採用もあり、今後も活用が進みそうですね。
Hubsでの参加方法、発表方法はclusterともまた異なるので、clusterの発表方法をまとめたときのような記事を別途書く予定です。