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UnityでつくったコンテンツをBabylon.js向けにエクスポートする「Babylon Toolkit」について:初期設定からビルドまで

これは「Babylon.js アドベントカレンダー2024」の8日目です。

前回の私の記事では、Babylon Toolkitの概要や環境構築方法を書きました。

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今回はUnityを開いてからの初期設定や、CubeとPlaneを置いたシーンをエクスポートしてブラウザで確認するまでの手順を紹介します。

なお、今回書いた内容は公式?が公開している動画で紹介されている内容と同一です。 13:49までの動画のうち、9:30付近までの内容です。

www.youtube.com

前提として、前回の記事に沿ってPackage Manager経由でBabylon Toolkitをインポートしている状態で進めます。
Babylon Toolkitインストール直後で、他のアセットインポートやオブジェクトのシーン追加などはしていない状態から始めます。

動作確認環境 Unity2022.3.34f1
Babylon Toolkit 7.28.1 (Community Edition)

1. UnityのProject Settingを調整する

Edit > Project Settingを開いて、Playerの中にある設定を変更します。

Unity Project Setting

Auto Graphics for ~のチェックを全て外して、"+"を選択、OpenGL Coreを選択して上に移動させます。これをWindows/Mac/Linux (ビルド対象のみでよいはず) に対して行います。UnityのRestart指示が出たら再起動します。

一通り変更すると、このようになります。

AutoGraphics setting on Unity Project Setting

次に、Project SettingのGraphicsの中にある設定を変更します。

Graphics on Unity Project Setting

"Low (Tier1)", "Medium (Tier2)", "High (Tier3)" の3つについて、User DefaultsとReflection Probes Blendingのチェックを外します。

2. Lighting Settingsを追加して、一部の設定を変更する

Project Viewの中で右クリックし、Create > Lighting Settingsを選択します。

次に、Unityの上側にあるパネルで、Window > Rendering > Lighting を選択して、Lightingのウインドウを表示させます。

この状態で"Lighting Settings"のエリアで、先ほど作ったLighting Settingsを指定します。

また、このウインドウの"Lightmapping Settings"の中で"Progressive Update", "Importance Sampling"のチェックを外します。

さらに、同じエリアの中の"Lightmap Compression"を"High Quality"から"None"に変更します。

ここまで実行したら初期設定は完了です。

3. 試しにPlaneとCubeをSceneに追加してビルドし、エクスポート

Unityの通常操作でPlaneとCubeを追加してみます。Cubeにはマテリアルで適当に色をつけてみました。

Plane and Cube on Unity

この状態でUnityのPlayボタン (三角形のボタン) を押します。するとEditor実行がされず、Buildを選択するウインドウが出ます。

Build button on Unity and Babylon Toolkit

Buildボタンを押すとしばらく処理が続き、完了するとPreviewするかの確認が出ます。

Preview button on Unity and Babylon Toolkit

Previewボタンを押すと、ブラウザが開いてUnityで作ったシーンが表示されます。

Exported scene from Babylon Toolkit working on Browser

3. 補足:UnityのPlayボタンを押して、通常通りUnity Editorで実行させる方法

先ほどまでの手順で進めると、UnityのPlayボタンを押してもBabylon.js向けのビルドしかできなくなります。この設定を解除して、通常通りUnity Editorで実行させるには、Babylon Toolkit Editorの中にある "Attach Play Button"のチェックを外します。

Attach Play Button on Babylon Tool Kit on Unity

4. おわりに

ひとまずビルドできるところまでは確認できました。

実は1と2の初期設定をせずにいきなり3に進んでも、cubeとplaneをつけた空間をビルドしてブラウザで表示することはできました。
複雑な表現や機能を使う時は1や2が必要になるのかもしれません。

次回は、スクリプト制御の方法を紹介します。