前回、Windowsアプリのアンインストールで出た0x80073cf6エラーの対処方法について書きました。
今回はこの記事の関連情報です。0x80073cf6が出た後にアンインストールしたPowerAutomateアプリが、再インストールしてもうまく起動しなかったことの対処方法です。
- 1. 状況:PowerAutomateを起動すると、「サインイン中」でずっと固まってしまう
- 2. 結論:新規にParallel DesktopでVMを作ってWindows11 をインストールし、Windows StoreアプリでParallel Desktopをインストールしたら、解決した
- 3. 予想される原因:MSI版とストアアプリがなぜか自動的に同時インストールされたことで、設定ファイルなどがおかしくなった?
- 4. 参考:解決にはつながらなかったけど試したこと
- 5. おわりに
検証した環境
- Windows11 on Parallel Desktop
- Windows11 on Surface Go2(参考として検証。そもそも問題が発生しなかった)
1. 状況:PowerAutomateを起動すると、「サインイン中」でずっと固まってしまう
Windowsボタンを押してPowerAutomateアプリを開きます。
開くと、準備中という画面が出ます。
しばらくすると、サインインするための画面が出ます。ここまでは正しい挙動です。
しかし、「サインイン」ボタンを押すと、アカウント入力画面が出ることなく「サインイン中..」という画面に変わります。
このままずっと止まってしまいます。 終了するにはctl + alt + del (Parallel Desktopの場合は、ctl+option+fn+del) を押してタスクマネージャーから終了するか、設定アプリからPowerAutomateを選んで終了します。
2. 結論:新規にParallel DesktopでVMを作ってWindows11 をインストールし、Windows StoreアプリでParallel Desktopをインストールしたら、解決した
後述のように、相当色々試したのですが解決せず、最終的にVM自体を新規で作ったら解決しました。
正しく動いた環境では、「サインイン」ボタンを押したあとでこのようにアカウント入力画面が出ました。
入力、認証手続きが完了後、PowerAutomateの画面が出ました。
つまり、これから実施される方の場合、一般的手順でインストールすれば使えることになります。
なお、Windows11がインストールされているSurface Go2でPower Automate アプリを開いてみましたが、何も問題なくサインインしてアプリとして使用できました。
3. 予想される原因:MSI版とストアアプリがなぜか自動的に同時インストールされたことで、設定ファイルなどがおかしくなった?
理由不明ですが、PowerAutomateにはexeを使ってインストールするMSI版と、Windows Storeからインストールするアプリ版があります。
こちらの記事によると、両方をインストールすることは非推奨なのに、2.43付近のストアアプリで両方インストールされてしまうという不具合が発生しているようです。
思えば、2024年の1月か2月頃、この記事に記載の「PowerAutomateの更新」ダイアログのメッセージに沿って、長めの更新作業を実施した気がします。
そして、それ以降「サインイン中..」になって使えなくなっていました。(不定期に色々試していたけど、昨日まで解決できませんでした)
どこまでCドライブの奥深くに変更が入ったのかわからないのですが、後述の範囲のキャッシュや設定情報を削除した限りでは解決できませんでした。
4. 参考:解決にはつながらなかったけど試したこと
4.1 msalcache.bin3ファイルを削除する
こちらで紹介されています。 learn.microsoft.com
%localappdata%\Microsoft\Power Automate Desktop\Cache\MSI の中にあるmsalcache.bin3ファイルを削除することでサインインの問題解決になるかも、という情報です。
しかし、まずWindows11ではパスが変わっていました。こちらに配置されていました。
C:\Users\"username"\AppData\Local\Microsoft\Power Automate Desktop\Cache\MSI
msalcache.bin3ファイルを削除してWindows11を再起動しましたが、解決しませんでした。
4.2 Edgeブラウザ側でPower AutomateのWeb版にログインしておく
先ほどと同じページにはこのように書いてありました。
問題を確認する
Power Automate にサインインしてみてください。 想定どおりに動作する場合、問題は、デスクトップ用 Power Automateをホストするマシンのローカル ネットワーク構成に関連している必要があります。
そこで、あらかじめEdgeブラウザでログインして、Power Automateのページを開いておきました。しかし、そのあとでPower Automoateアプリを開いても解決しませんでした。
4.3 Windows11のトラブルシューティングツールを使って、Windowsストアアプリを修復する
前回書いた方法です。Windowsストアアプリに対して適用されます。前回はこれでアンインストールができるようになりました。
今回はトラブルシューティングツール自体は正常に終了しましたが、「サインイン中..」で止まる問題は解決しませんでした。
4.4 Windows11のトラブルシューティングツールを使って、MSIインストール版を修復する
途中までの操作は、4.3で書いた内容と同一です。後半で「プログラム互換性のトラブルシューティングツール」を選択します。
すると、インストール済みアプリケーション一覧が表示されるので、ここからPowerAutomateを選択します。
ただ、私の時はMicrosoft アカウントでログインしてくださいという警告が出たのですが、そこからログイン操作ができず、トラブルシューティングツール自体も失敗しました。3で書いたように、ログイン操作ができなくなっているのは今回の問題と関係するのかもしれません。
4.5 同じVMの中で設定アプリから「リセット」を選択してWindows11を再インストールする
これで解決すると思ったのですが、なぜか解決しませんでした。同じVM内でリセット(初期化)操作をしても何らかの設定ファイルが残っているということなのでしょうか。(そういえば記憶曖昧ですが個人フォルダを残した初期化になっていたかもしれません)
5. おわりに
調べてもピッタリな情報がなかったので書きました。マイナーな話ですが、どなたかの役にたてば幸いです。
Parallel DesktopでのWindows11が悪いというよりは、一緒にインストールされた謎の設定が原因に見えますが、真実は不明です。
ひとまず私としては再び使えるようになったのでよかったです。