以前、Meta2 SDK 2.5の紹介をしたとき、サンプルプロジェクトがあることを書きました。
Meta2のSDKが2.5になり、安定度改善やチュートリアルアプリが復活しました - CrossRoad
今回はこれを試してみましたので、構築手順や確認結果のまとめを報告いたします。
1. サンプルプロジェクトの内容
今回追加されたサンプルプロジェクトは、手から魔法を出すイメージのアプリケーションです。空中に浮いている球体をつかんでから離すと、球が飛んでいきます。
Meta社のブログでは、このサンプルプロジェクトについてビデオ動画付きで解説しているので、こちらもご覧ください。
https://blog.metavision.com/extending-hand-interaction-grab-and-release
2. プロジェクトのダウンロードと準備
ここからUnity プロジェクトをダウンロードします。私はUnity 2017.3.0f3、Meta2 SDK 2.5.0で確認しました。
https://github.com/metavision/magic_spheres_tutorial
- Unityの対応バージョン:5.6.0f3 and 2017.3.0f3
- Meta2 SDKの対応バージョン:2.5.0 or 2.4.1
ダウンロードしたプロジェクトをUnityで開くと、このようなエラーがでます。
これはMeta2 SDKのunitypackageが入っていないためです。 Program FilesからMeta2フォルダを探し、unitypackageをインポートします。
3. 動作確認
サンプルシーンを選んでUnity のEditorから実行するだけです。Grab操作で3つのオブジェクトのどれかを掴んで離すと、球が飛んでいきます。シーン実行時にSLAMで空間を認識しているので、現実の壁付近に球が当たると破裂します。
4. 終わりに
今回は球を掴んで投げる、というシンプルな例でした。応用が効く動作なので、何か使えると思います。
ところで、Meta2は、日本ではあまり情報なく盛り上がりが少ないですが、海外だと意外に?堅調な印象があります。展示会では盛り上がってますし、ハッカソンの開催も多いようです。
また、先月、MetaはDELLと提携を発表しました。2/15からDellのサイトでも販売を開始するようです。
Dell Partners with Meta to Bring Augmented Reality to Industries | Dell
DELLはこれで、PCやタブレット、Windows Mixed Reality Headset (あえて言えばVR)だけでなく、ARのHeadsetも販売することになりました。
また、Dellの構想を説明するものとして、このような文章がありましたので引用いたします。
Dell aims to make AR more accessible for business deployment, particularly in healthcare, manufacturing and construction, by providing tools for creating immersive experiences unique to the needs of those industries.
Meta 2 AR solutions can help engineers visualize and manipulate virtual schematics overlaid on a car or building space under construction; or train new doctors on holographic dummies which would be significantly costlier to replicate in real-life.
引用元:DELL, Dell Partners with Meta to Bring Augmented Reality to Industries | Dell, 2018
このように、ヘルスケア、医療。製造、建築などの分野でのARの適用を目指しており、DellやMetaは、エンタメ用途ではない領域での拡大を狙っているようです。
日本での発売や展開については、今回の発表のスコープ外なので言及なかったですが、DELLのような大手サプライヤーが入ることで、ARについても市場が広がることが期待できますね。
私としては、Metaの情報発信の観点からも、AR分野の発展に少しでも貢献できればと思います。