いろいろな記事を読むだけではわからないことが多かったので、遅ればせながらPowerPointのCopilot Proを試してみました。
使用した環境
・Microsoft Copilot Pro
・Microsoft 365 Personal
・Windows11
- 1. Copilot Proとは
- 2. Copilot ProとCopilot for Microsoft365の違い
- 3. Copilot Proの契約方法
- 4. PowerPointでCopilot Proを使うための契約手続き
- 5. PowerPointのCopilot Proでできること
- 6. おわりに
1. Copilot Proとは
まず、Copilotとは、生成AIを活用して、文書要約、画像生成、資料作成や整形などが行える仕組みです。
こちらに具体的な例が書いてあります。
https://copilot.cloud.microsoft/ja-JP/prompts?ocid=copilot_akams_copilotlab
Pro版の説明は以下のとおりです。
Copilot Pro は、より高速な Copilot パフォーマンス、迅速な AI 画像の生成、独自の Copilot GPT の作成、そして Word、Excel (プレビュー)、PowerPoint、Outlook (Microsoft のメールアドレスが必要)、OneNote での Copilot の利用を実現するサブスクリプション製品です。
Copilot Pro プラン & 価格 - プレミアム AI 機能と GPT-4 & GPT-4 Turbo | Microsoft Store
2. Copilot ProとCopilot for Microsoft365の違い
ちょっと複雑ですが、Microsoft365の個人版とエンタープライズ版が分かれているように、今回対象としているCopilotサービスも2つあります。
個人版ではCopilot Pro、エンタープライズ版ではCopilot for Microsoft 365です。両者の違いについては、以下の記事の最後に書いてあります。表でわかりやすく整理されており、こちらをご覧いただくのが良いと思います。
なお、Word、ExcelなどのOffice製品に統合されているCopilot機能については、Copilot for Microsoft365の方が高機能です。
3. Copilot Proの契約方法
こちらのURLから「無料試用版を開始する」を選択して、クレジットカード情報を登録するだけです。ブラウザがMicrosoftアカウントでログインしていると、登録後にブラウザのCopilotもProにアップグレードされます。
2ヶ月目以降、1ユーザあたり3200円/月の費用がかかります。
4. PowerPointでCopilot Proを使うための契約手続き
Copilot Pro単体を使うのであれば、先ほどの3200円/月の契約で手続き完了です。今回はさらにPowerPointを使うので、追加でMicrosoft 365 Personal/Familyの契約が必要です。
Microsoft 365 Personalは1,490円/月か、14,900円/年で契約できます。
契約をしたアカウントでPowerPointにサインインすると、ホームタブにCopilotアイコンが表示されます。特に設定は不要です。
5. PowerPointのCopilot Proでできること
Copilotと書かれていると何でもできる印象を持っていましたが、今時点でできることはこちらに記載の範囲のみです。
PowerPoint の Copilot を使用して新しいプレゼンテーションを作成する - Microsoft サポート
5.1 テキストプロンプトからスライドの全体構成を自動生成する
ホームタブのCopilotアイコンを選択すると、右側がCopilotの機能を使うウインドウ領域になります。
ここにプロンプトを入力すると、スライドを自動生成してくれます。プロンプトの入力例は以下を参考にできます。
https://copilot.cloud.microsoft/ja-JP/prompts/all
たとえば、参考例にあった「[ハワイ]に関するプレゼンテーションを作成する」を真似して「桜と公園に関するプレゼンテーションを作成してください。スライドは5枚です」と入力しました。
結果はこちらです。
5枚という指定に対して、適宜画像を入れながら作成してくれました。スライドノート(読み原稿) も入っています。
一方、3枚目で桜の名所は3ヶ所あると紹介していますが、4枚目、5枚目で合計2つまでしか紹介していませんでした。もう少し詳しくプロンプトを書く必要がありそうです。
Wordファイルで細かく内容を書いてからSharePointに格納し、そのURLを指定することでもPowerPointのプレゼンテーションを作成できます。ただし、これはCopilot ProではなくCopilot for Microsoft 365限定の機能です。
ダメ元でOneDriveにWordファイルを入れてWordファイルのリンクを入力してみましたが、作成できないという返答がきました。
次にスライドのタイトルや章タイトルを入力し、作成依頼してみました。こちらはそれらしいプレゼンテーションが生成されました。
ただし、なぜか一部のスライドは英語になっています。これは題材にしたBabylon.jsは英語情報の方が圧倒的に多いからかもしれません。
同じプロンプトで2回目に生成したところ、全く別の結果になりました。こちらの方がわかりやすい気はします。
5.2 スライドに画像を追加する
プロンプトで指示を出してスライドに画像を追加できます。
イラストについてはお願いが抽象的だったためか、抽象的な結果になりました。もう少し詳細に指示を出す必要がありそうです。
こちらの画像の[1]は、「子どもが行うスポーツに関するイラストを1枚追加してください」というプロンプトの結果です。
5.3 プレゼンテーションを要約する
「このプレゼンテーションを要約する」とプロンプトに入力すると、要約を表示してくれます。
今回は、2023/4/1の勉強会で使ったスライドをもとに「このプレゼンテーションを要約する」と入力したところ、要約文がチャット欄に表示されました。
ただし、この要約は機能紹介のスライドタイトルと概要文から一部情報が欠落したものでした。「このプレゼンテーションは~のような内容で、特に〜が注目されています」のような、具体的な解説はまだ難しそうです。
5.4 プレゼンテーションを整理する(セクションをつける機能)
「このプレゼンテーションを整理する」とプロンプトに入力すると、内容をもとにしてセクションで区切ってくれます。また、セクションのタイトルとなるスライドを自動挿入してくれました。
今回は、2023/4/1の勉強会で使ったスライドをもとに「このプレゼンテーションを整理する」と入力したところ、内容が一致する形でセクションをつけてくれました。
5.5 会社のテンプレートを基準にスライドを生成する(Copilot Proでは不可)
Copilot for Microsoft365であれば、会社のテンプレートをもとにスライド生成ができるようです。今回は個人用のCopilot Proを使っているので検証できませんでした。
6. おわりに
実際に試したことで何ができるのか、どの程度までできるのかがわかりました。当初はスライドのフォント修正やレイアウト補正などができるのかなと思っていました。
個人的にはスライドの文字や図形、レイアウトに関する部分を実装してもらいたいなと思いました。この内容(レイアウトの変更等)に関して「生成AI が行うことか?」と言われると疑問が残りますが、ここができれば仕事の効率のアップにつながるのではないかと思いました。
Microsoft Copilot for Microsoft 365 を試してみた(PowerPoint編)|クラウドテクノロジーブログ|ソフトバンク
同じように思われていた方はいらしたようですが、少なくとも今はまだできませんでした。
一方、Microsoft社は生成AIへの投資を相当に強化しているようなので、今後また急に発展するかもしれません。また調べたときにまとめたいと思います。